Eau de Vie

やらなければならない仕事を目の前にして。
どうにも手がつけられない時には。
そのままふて寝してしまいたい気持ちを抑えて。

書斎の両脇に積まれた書類の数々を手にとって。
あたかも仕事をしているかのように振る舞う。

そうしているうちに。
ゆるゆるではあるけれど、何もしないよりもはかどり。
結果、仕事をしたという満足度が上がり。
書斎がキレイに片付くという効果まで得られる。

ねぇ、ママ。
今日は帰ったらいるの？

そういう息子に。
二日連続で帰宅時に不在だったことを咎めらた。
「最近さ、家にいないよね。」
「いやいや、居るでしょう。」
「いないよね。」
「そうね。今日は居るから大丈夫よ。」
「おけ。」
そう言って、玄関を出て行った。

母というものは。
脆く、儚く。
強く、逞しい。

Eau de Vie （オードヴィー）ハイアットリージェンシー東京
https://www.hyattregencytokyo.com/restaurant/eaudevie/tabid/115/Default.aspx