振り返ると精神的にもスケジュール的にもタイトな2月だった。
息子の高校受験本番が続く日々と、娘が３年間の寮生活を経て自宅に戻る環境を整えることから始まったのだけれど。
これまで3人のマンション暮らしから生活から、4人での生活が始まる。
東京都新宿区。東京都庁へは自転車で5分程度の距離に住むようになって15年が過ぎる。
間取りは３LDK。夫、わたし、息子がそれぞれ1人一部屋だった状態から、わたしの書斎（個室）を娘に明け渡すことで新生活を始めることになった。
2月に入るとすぐに娘は本格帰省となり、部屋の配置を変えるために大掛かりな断捨離と共にベッドの移動、リビングの配置換え、衣類の整理、不要なものは地下室へ。という形
で数日×数時間を繰り返した。もちろん私の仕事も絶賛進行中で、こういう時に限ってありがたいことに新規案件が立て続けに成約するという引き寄せを体感しながら。
卒業式を3月2日に控えて、娘が帰省したのが2月1日。
突然の同居4人生活に慣れることはお互いに難しいと、娘を海外（タイ）へ１週間程送り出す。
ちょうどわたしの父（娘にとって祖父）が、タイのパタヤにてリタイア生活を楽しんでい
るタイミングだったので、そこを訪れるようにと算段をつけて。
日程の関係で、わたしと息子は3月に向かうことにしたのだが、忙しさに追われて父親に詳しく状況を伝えられていなかった。それが原因で父親に激昂されたことは後にも先にもこれが最後であるだろうと思いながら、自分の課題と向き合うことになる。
それぞれの人生の岐路が同じタイミングに重なったことで、わたしはどれも丁寧に対応したいと心がけてはいたが。
母親としての何かがあるのだろうか。ただそうしたかっただけだけれど、我が子達の進路や人生に関われることがもう残り少なくなってきていることを感じながら、とにかく一生懸命になっていたと思う。（父親に甘えられるのは娘の特権だと思っていたが、もうそういうことではないと断言されたことはこんなにも淋しく辛いものだとは想像もしなかった。）
そんな中で、娘は卒業式に生徒代表で謝辞に選ばれたと学校から電話を受けた。
精勤賞、成績評定が３年間全教科で５をキープし、生徒会役員（副会長）、学級委員、部活のマネージャーを務め、推薦で難関私立大学の合格に至るなど、絵に描いたような優等生の姿に、我が子ながら頼もしい。（３年間のスカラシップもキープ）
これからも大いに好きなことに懸命になってもらえたらと願わんばかり。
彼女の高校時代は、寮母さん、寮生の仲間、学校の友人、先生方に支えられての日々だったことを思うと、思うだけで涙が溢れるくらい感謝でしかない。
中学2年生の時には既に「ママからはもう学ぶことはないから」と寮のある高校を選択した娘から、この度自宅に戻ってきて数日してからの一言に。
「ママのことは嫌いじゃないけど、性格が合わないから早く一人暮らしがしたい。」
お互いに適度な距離感がある方がうまく行くことが分かる。ということと、私自身が過干渉になりがち（意外だが）なので、一緒に住んでいても世話ばかり焼かないようにしようと自分に言い聞かせて。
家族旅行が最後になるかも知れないからと、息子も一緒に函館へ。
4人家族で過ごす思い出を残しておきたかった。
寮生の母親とのつながりもありがたく。
我が子を通じて、知らなかった世界を見せてもらっていることに感謝して。
記録的な大雪に見舞われた卒業式当日。
堂々と謝辞を述べる娘の姿に、持っていたハンカチで何度も涙を拭きながら。
女子高生を卒業する勇姿を眺めて、また一つ親としての役割を終えていくような達成感にも似たような満足感や淋しさのような思いが込み上げる。
３年間が瞬く間に過ぎていって。
同時にわたしのこの３年間を思い返す。
そればかりか、我が子を産んでからの１８年間をも同時に振り返った。
わたしにとってのやりたいことは、第一に子育てだったと思う。
それが最優先事項だったからこそ、仕事とのバランスを上手に取れていた。
我が子との関わり方で後悔をしたくなかっただけで。
自律していく姿に、わたしも一区切りの節目を迎えたのだと。
じわじわと感じている。
キラキラと輝く青春を過ごしている姿を見るだけで。
感情が込み上げてくるくらいに涙腺の弱い母だけれど。
それも踏まえて、わたしを母親にしてくれてありがとうという気持ちになる。
生きていることに感謝して、自分の力を発揮してくれることを願わんばかりだ。
娘よ、卒業おめでとう。
これからの世界が、より彩を増し美しいものでありますように。
〜訪問先〜
函館国際ホテル
https://www.hakodate-kokusai.jp
湯の川プリンスホテル渚亭
http://nagisatei.info
函館ラーメン一文字
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