vol.77 梅雨明けの京都で運を開く刻を重ねて〜ホテル ザ セレスティン京都祇園〜
6月とは思えない暑さの中で。 二つの仕事の山を越えた興奮のためか、私は浮き足立ったまま京都の街を散策していた。
6月とは思えない暑さの中で。 二つの仕事の山を越えた興奮のためか、私は浮き足立ったまま京都の街を散策していた。
「言葉にしてしまったら、それが全てのような気がして。」 この、自分が発したセリフを久しぶりに思い出した。 当時は、言葉にしてしまうことで現実を受け止める覚悟や器量がなかったのだと振り返るのだけれど。 …
眼下に広がる雲海を眺めながら、 こうして自分の均衡が保たれることを再確認して。 見えない楔(くさび)を打ち砕き。 私は雲の上で深呼吸するように息をした。