vol.70 全てが必要な経験として〜フェアフィールドバイマリオット大阪難波編〜

乗車直前にアナウンスが出ていた。
触車事故のため運転を見合わせている。というものだった。
それでもワタシが乗車する車両は出発するというので、東京駅から乗り込んだ。
隣の品川駅で停車し、運転見合わせのアナウンス。
まさか、そこから3時間半も停車することになるなんて思いも寄らなかった。

「全ての出来事は必然だ。」
「あらゆることが偶然に起きていると思っているだろうけれど、全部必然で決められたことなんだ。」

＜全国制覇＞と書かれた置物に。
他の部活の顧問に「生意気なんだよ。」と言われたこととか。
多感な中学時代に出会った個性豊かな先生たちを思い出す。
昭和から平成になった時、私は中学１年生だった。

東日本大会の合唱コンクールに毎年出場するような部活で3年間を過ごした。
本気で全国大会を目指していたし、その常連校だった。
なのにワタシは練習が嫌いで、先輩も苦手で、音も取れなかったけれど。
いつもレギュラーメンバーに選ばれて、東京の大会に連れて行ってもらっていた。

地区大会では最初から最後まで各学校の歌を聴き。
姿勢正しく、礼儀正しく、来た時よりも美しく。をモットーに一流を目指す中学の方針に。
それを当たり前に受け入れていた。

あくまでも主観だけれど。
環境というものは、それ自体がアベレージとなって身体に染みつくものなのだと振り返る。
文化系特有の先輩後輩の上下関係は厳しく、廊下で先輩とすれ違う時は黙礼をするし、気安く話しかけることなど出来なかった。

何時間にも及ぶ放課後のミーティングは正座だし、足が痺れても崩すことは許されず、先輩は絶対的な存在として君臨していた。
今思えば、本当に懐かしいし、そういう時代だったと振り返るだけだけれど。

我が子達の部活動の緩さに、自分の時代の厳しさを持ち出すことなどできないくらいのもので。
時代と環境の違いと。
良し悪しでなく、そういうものだろうと受け入れながらも。
親としての筋と信念を持ちながら日々接している。

そう。
出来事は全て必然という意味を。
受け入れられたのは、随分と経ってからのことだった。

振り返った時に。
あの時の選択は必然で、たまたま選んだけれど、偶然だったけれど私は導かれてここにいるのだと思うようになった。
いいことも悪いことも。
それが、ワタシに必要な経験だと受け入れるようになったことで。

その出来事や事象を恨むことをしない。
もともと楽観的だけれど、それなりに経験は年相応にしていると思っている。
他者と比較することは難しいけれど。
酸いも甘いも嚙み分けられるくらいにはなっている。
だから、新幹線の中で何時間か過ごしたけれど。
急ぐ何かがなかったので、そのままアマゾンプライムで映画を1本見終えていた。